んoon 2nd Album “Zoo”
- BREAKING NEWS-
2026.4.1(WED) RELEASE
んoon 2nd Album
“Zoo”
*HEBITORA MUSIC VIDEO キービジュアル(2nd Album『Zoo』アルバムジャケットは後日公開)
アルバム『FIRST LOVE』のリリースから1年。
んoonの2ndアルバム『Zoo』のリリースが決定。
その発表を記念し、昨年シングルカットされ話題を呼んだ楽曲「HEBITORA」のMusic Videoを公開。映像制作は、本作も盟友・谷口暁彦が手がけている。
また今回は初の試みとして、谷口暁彦本人に制作背景や表現意図について
インタビューを実施。(ページ下部記載)
アルバムの詳細は後日発表予定。
フーンのズー。
Stay tuned!
Hey Guys!
Our 2nd album “Zoo” is officially on the way.
🗓 April 1st, 2026
To celebrate, we’ve dropped the “HEBITORA” music video
Directed by our longtime collaborator Akihiko Taniguchi.
So much coming… stay tuned!
MUSIC VIDEO
んoon - HEBITORA
Directed by Akihiko Taniguchi
INTERVIEW
んoonの活動の最初期から楽曲のMVを担当しているメディアアーティストの谷口暁彦。自身の作品も制作する傍らで、んoonを含む数々のアーティストの映像を手がけている。
今回、最新作となるMV”HEBITORA”の公開を機に、今まで触れてこなかった彼の制作の過程やテクノロジーの扱い方/捉え方を、高校の同級生であり実家も近い、んoon Ba.積島によって改めてインタビューする。
制作のプロセスは車輪の再発明
積島:どうもどうも。急にごめんね。
谷口:いやいや大丈夫。
積島:とりあえず『HEBITORA』の映像ありがとう。相変わらずえげつない爆笑でそれ以外感想ないんだけど、ちょっと裏話含めいろいろ聞きたいと思ってます。
谷口:はは。了解です。
積島:まず前提として今回の『HEBITORA』は、いつものMVオーダーをお願いする時とちょっと違って、明確に「生成AI(ぽいもの含む)を使ったもの」というオーダーをんoon側で出したんだけどどうだった?
※ちなみにいつものんoonのオーダーとは音源を送り「それに映像をお願い」というのみ。
谷口:うん。個人的にはけっこう面白く取り組めたなあと。いつも、んoonからは何の注文もなく自由にMVを作らさせてもらってるわけだけど、今回はめずらしくオーダーがあって。オーダーといってもかなり緩いオーダーだから、制約とは感じなくて、なんかヒントというか手がかりみたいな感じで。で、自分はメディアアートをやってる割にはこれまで生成AIによる作品や制作をやっていなかったから、これはいい機会だなと思って。
積島:なるほど。もちろんそういうオーダーして我々はワクワクしながら待ってたんだけど、映像のテクスチャーは、注文通り生成AIぽいんだけど、それでもいつもの「谷口感」も満載してるようで不思議な感じだった。メルツバウがジャンクエフェクターからラップトップに移行したんだけど出音が変わらなかったみたいな評を思い出した。
谷口:ははは。そういう技術の変化のことから話すと、制作の最初の頃は、ごく普通に最近の動画生成AIを使って実験していたんだけど、しっくりこなかったのね。で、別の方法を探っていた時に、今までの映像制作で使っていたゲームエンジンのUnityと生成AIを組み合わせて使える仕組みを見つけて試してみたのね。それは主に静止画を作るためのAIで、動画を生成するものではなかったのだけど。ひとまずUnityで単純に白い立方体が回転しているだけの簡易な場面をつくって、それを1フレームずつ順にAIに見せていって、「これをウサギとして見てください」というプロンプトを渡して動かしてみた。すると、動画生成のAIではないから、映像的には色々な破綻が起きるんだけど、元のUnityの動きの生々しさも妙に残っていて、これは使えそうだなと。だから出来上がった制作のプロセスを振り返ると、動画用ではないAIを使ってわざと見間違いや破綻を起こしつつ、AIを使ったコマ撮りアニメーションを作るみたいなものが出来ていたというか。
積島:なるほどー。逸脱させるというか裏をかくというか、やっぱりちゃんとした使い方はしないし、ちゃんとした命令をAIにもさせないんだね。
谷口:それこそダウヂング同好会の時に自作楽器を作っていたこともそうだけど、(注:谷口と積島が高校ー大学にかけて組んでいたノイズバンド。自作のインターフェースやアルミサッシで作った弦楽器などでノイズを脱構築的に演奏する。音楽性の違いにより無期限活動休止。)既存の完成したメディアや方法って、いろいろなありえた可能性が取捨選択されるから洗練されたものになっているんだよね。それをもう一度自分で最初から作り直すことによって、完成への過程でノイズとして排除された別の可能性をもう一度見つけることができる。だから知らずに同じものを再発明することをネガティヴな意味で「車輪の再発明」って言うけど、敢えて自作する姿勢はそのメディアのポテンシャルを探るという点でとても大事な気がする。
積島:リズムマシンとかもそうだけど電子音楽とかの歴史は全般機器とか認識の誤用と転化のオンパレードだしね。あとさロボットダンスとかもさ、今のロボット滑らかすぎるからあんなカクカク動きするの人間だけになっちゃったよね。
谷口:そうね。逆転しちゃうのよね。だから生成AIで作られる動画が洗練されてくると、それは普通に人間が撮ればいいじゃんと思ってしまうこともある。人間の身体機能や感覚を拡張するという「他者」としてのテクノロジーではないんだなと。もちろん、そういった意味でAIはこれまでの他のテクノロジーのあり方とは違う、異質な存在だなと思うところもある。だからまだ他のアプローチもありうると思っていて、引き続き探っていきたいと思う。
んoonの楽曲との連環
積島:メンバーからの質問で、「音源(HEBITORA)で印象深かった部分などありますか?歌詞演奏問わず」ってのが来てます。
谷口:歌詞がすごく良いなと思ってて、サビ?というかリフレインのところで”Fall in my sight”て歌詞があって、おそらく正しい意味とは違うんだろうけど直訳すると「自分の視界に落ちていっちゃった」みたいにも読めて、さっき言ったように今回、AIにわざと見間違いさせて作っているから、「自分の視界に入っていってしまう」みたいなニュアンスと近いなと思った。
積島:この歌詞JC書いたから言っとく。
谷口:あとこれ割と他の曲もそうなんだけど、んoonの曲って曲全体の中で歌が半分くらいで終わるじゃないすか。それがいいなと思ってる。
積島:あんまりAメロBメロサビみたいなのはないかもね。
谷口:ベタな展開で考えれば歌、サビとか終わったらあとは収束させて終えられるかなと思うんだけど、歌が終わっても演奏が2-3分続くので大変だなって思う。
積島:映像作るのが?
谷口:うん。
積島:いいと思ってねーじゃねーかw
ちなみにそういう風に思ってたのは我々知らなくて、むしろメンバーの中では、「全然歌の盛り上がりに合わせないねー」って笑ってたとこだわ。
谷口:歌の盛り上がり以外の演奏部分もボリュームや複雑さがあるからこそ、映像のほうも工夫しなきゃいけなくて、まあそこを楽しんでやっている。普通に曲を聞いている時は歌が短いなとか気にならないんだけど、いざMV作る時に気づいて、色々と考えて作るという感じ。
ウサギの真相とフレームレート
積島:もう一個質問で、「なんでウサギ?」って来てます。
谷口:最初の「白い立方体が回転してる映像」をAIに見せるっていう実験をやっていた時に、何の気なしに「ネコ」とか「ウサギ」とか白い色がありうる動物の名前入れてたのね。で、その時になんかウサギがいいなって思ったのは、いろいろな物に見間違えを起こすような幻覚的な映像でもあったので「不思議の国のアリス」のイメージからの引用はいいな思ったのね。白ウサギを追いかけて、不思議な国に入っていく感じ。さっき触れた歌詞の誤訳の「視界に落ちていく」みたいなイメージとも重なるので。
積島:なんか「視界に落ちていく」って意味は確かに映像と絡めると面白くて、見るー見られる、眼差すー眼差されるっていう主客の関係が崩壊していくというか勝手にメタ認知させられてるような気持ち悪さがある。
谷口:作り方としてAIに見間違いを起こさせるようにしている一方で、出来上がった映像を人間が見た時にも「あれ?いま一瞬変なもん映ってなかった?」みたいな錯覚のような感覚が起きて欲しいなと意識していて。だからその感覚を調整するために、映像のフレームレートをいくつにするかを、かなり悩んだのよね。結果として今回は12fpsになったんだけど、これは古典的なコマ撮りアニメーションのフレーム数でもあって。12fpsだと、動きの躍動感もありつつ、一瞬見える変なものに対する意識も残る。
積島:へえ。そんなになんか色々やってるの我々存じませんでした。まだまだ聞きたいことあるけどとりあえず今回はこんなところで。
これからもやばいのお互い作っていこう。
谷口:はいはい。
All the love and massive thanks to…
Akihiko Taniguchi
メディアアーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授。メディア・アート、ネット・アート、ゲーム・アート、パフォーマンス、映像、彫刻作品など、さまざまな形態で作品を発表する。主な展覧会に「イン・ア・ゲームスケープ ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、2018~2019年)、個展に「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2017年)など。